「あっ」
駅前のベンチに座っていたストールを羽織った女の子が、俺の姿を見付けて元気良く手を振る。
「こんにちは、祐一さん」
「こんにちは」
ベンチの方に歩いて行くと、栞も駆け寄って来る。
…………。
「そろそろ行きましょうか?」
「……そうだな、ここで向かい合ってても仕方ないしな」
「寒いですし、ね」
「それで、どこに行く?」
「確か、約束しましたよね? 次はわたしが知ってる場所に案内しますって」
「そう言えばそうだったな」
「というわけなので、私が案内します」
ストールの裾を合わせて、ゆっくりと歩き出す。
「ここから歩いて行けるところなのか?」
「いえ、電車に乗って行きます」
「電車って、どれくらい かかるんだ?」
「そうですね、4時間半くらいは かかりますけど」
振り返って答える。
「……はあっ!?」
「この守口市駅から京阪電車の急行に乗って、終点の淀屋橋で地下鉄に乗り換えて新大阪まで行き、そこから新幹線で東京まで行って、そして中央線特別快速を立川まで乗って、そこから青梅線を1駅乗って西立川まで行けば、目的地の昭和記念公園はもう目の前です」
「ちょっと待てーーーっ!!」
――完――
駅前CG(モデルは京阪電車守口市駅)や公園CGの噴水のオブジェ(モデルは昭和記念公園の噴水のそれ)のモデルを知っている人限定ネタでした。
……でも、知っている人なら、誰でも思い付いてそうだな、こりゃ。